板や石などの硬質なフローリング材の代わりに、柔らかな畳を敷き詰めた日本古来の部屋である和室。
部屋の内と外を隔てるのは障子に貼られた一枚の和紙、内と外の境目を曖昧にする事により、光が通り、風が吹き抜け、外の世界への繋がりを感じる事ができるのは洋間には無い魅力です。
春に美しく咲き乱れる花、夏の力強い緑の木々、秋の鮮やかな紅葉、冬の水墨画のような雪景色、日本には一年を通じて移り変わる美しい四季があります。
和室には、そのような季節の移り変わりを肌で感じ楽しむ日本人の感性が生み出した様式美があります。

以前はマンションや戸建て住宅を問わず、必ずと言っていいほど和室がありましたが、一時期は洋間の利便性やカジュアルさに押され、和室の無いマンションや戸建て住宅が増えていました。
しかしながら最近は、盆栽や、和食、アニメーションや漫画など、世界的な日本ブームが巻き起こっており、その影響から国内においても日本の伝統文化が見直され、和室を取り入れたマンションや戸建てが増えてきました。

和室の壁の素材 | 和室の壁を壁紙(クロス)で仕上げる

本来、和室の壁には砂壁や土壁などの塗り壁が使われています。
塗り壁にはオリエンタルな雰囲気が有り、調湿効果や耐火性にも優れた魅力的な素材です。
反面、地震や経年劣化により崩れたり、何かをぶつけたり引っ掛けたりと言った物理的な衝撃に弱いのがデメリットとして挙げられます。

また本格的な左官工事は、工期が長く工賃も高額になる事から、最近では和室の壁も壁紙(クロス)で施工する事が増えてきました。
塗り壁は傷が付く度に全体を塗り直す必要があるなど、メンテナンスが難しい事も、和室に壁紙(クロス)が増えてきた理由の一つです。

和室に合う和風の壁紙 | 伝統の和柄模様がおすすめ

本来の和室の作りとして塗り壁が多いのは、上記のような機能性もさることながら、何よりも障子や襖など和風の建具との調和性を重視している事が大きいです。
その為、和室の壁には、障子や襖などと調和する和の雰囲気を持った和風の壁紙を選ぶと本来の雰囲気を損なう事なく収める事ができます。

また、壁紙の柄もお部屋全体とのバランスを取る必要があります。

襖に暖色の絵柄が描かれていれば壁紙の色は抑えぎみにする、逆に襖や障子が無地のシンプルな色であれば壁紙を大胆な柄ものにするなど全体のバランスを考えると上品に仕上がります。
いづれににしても和室の壁紙には洋風な模様では無く繊細な和柄が合います。

和室に合う日本の伝統模様の壁紙(クロス)

家内安全、商売繁盛、学業成就……
着物や風呂敷などに用いられる日本の伝統的な文様には、本来それぞれに意味があります。
特に普段から身につける着物には、庶民の様々な思いや願いが込められていました。

一年の四季の移り変わり、日が昇り沈むまでの光の量と色、陰影の変化、細やかな変化を目や耳だけでなく五感全てで感じ楽しむ和室には、やはりこのような日本古来の伝統に基づく繊細な和柄文様が調和します。

花亀甲 hanakikko

花亀甲 hanakikko | design irohana | Harokka

春蘭、牡丹、夏椿、菊と四季折々の花が顔を覗かせる亀甲繋ぎの花文様。

群竹 muratake

群竹 muratake | design irohana | Harokka

竹は冬の寒さに耐え、常緑で強くまっすぐに育つことから長寿と子孫繁栄の意味を持つ吉祥紋とされています。

梅松 umematsu

群竹 muratake | design irohana | Harokka

春の訪れを告げる梅と、常緑の松を組み合わせた縁起のよいモチーフが広がるデザインです。

鳥獣戯画 chojugiga

鳥獣戯画 chojugiga | design irohana | Harokka

漫画の原点ともいわれる京都の絵巻物「鳥獣人物戯画」をテーマにする図案です。走り回る兎や蛙たちのコミカルな姿が楽しい一枚。

滲水玉 nijimi mizutama

滲水玉 nijimi mizutama | design irohana | Harokka

水玉文様が不規則に並び、和紙をちぎったような滲む濃淡が美しいデザインです。

和室のアクセントクロス

アクセントクロスとは、お部屋のワンポイントになるように、壁の一部分に他とは色やデザインの異なる壁紙(クロス)を貼ることです。
一面だけ色を変える事で、部屋全体に色の濃淡(陰影)が生まれお部屋を広く見せる効果が得られたり、窓が少ない部屋に植物の写真やイラストの壁紙を貼ってリラックスできる空間を演出したり、カラフルなクロスを貼ってアートな空間にしたりと、ベースとなる全体の壁紙との対比で様々な演出ができます。

和室における床の間の意味

本来、和室にはアクセントクロスの役目を担う床の間がありました。
床の間は、座敷の上座の床を一段高くし壺などの装飾品や掛け軸などを飾れるようにした和室特有の空間です。

しかしながら壁よりも一段奥まった構造になる床の間は、現在の合理的な建築方法にはそぐわない為、和室が有っても省略される事が多いのが実情です。

お部屋のワンポイントとして貼るアクセントクロスは、現在の和室における床の間の掛け軸の役割を担っているとも言えます。

和室のアクセントクロスにおすすめな和柄アートな壁紙(クロス)

上記のように和室におけるアクセントクロスには、床の間に飾る掛け軸のように華やかでありつつ品のある和のアートがおすすめです。

白木蓮 haku mokuren

白木蓮 haku mokuren | design irohana | Harokka

気高さ、高潔な心、崇高といった花言葉を持つ白木蓮。濃い地色に真っ白な花弁が美しい図案です。

落葉 rakuyo

落葉 rakuyo | design irohana | Harokka

色づいた木の葉が美しい落葉文様。季節の移り変わりを感じさせる風情あるデザインです。

まとめ

和室の壁紙には、雰囲気とも調和する和柄の壁紙がおすすめです。
花入れの中の一輪の花のように、床の間の掛け軸のように、和室の壁に和柄の壁紙をそっと飾ってみてはいかがでしょうか?